子供ができない2

内診の結果わかったことがある。
私は多嚢胞性卵巣という、卵胞がたくさんあるため一つずつの卵胞が大きくなりづらく、そのため排卵しづらいという体質らしかった。そのため、2周期目からはクロミッドという排卵を促進する飲み薬を処方された。
また3周期目には、クロミッドに加えて、更に排卵を促進するために排卵前に注射を打たれた。
私はこれらの薬や注射が効きやすかったらしく、排卵前の内診の度に、卵胞の大きさが○ミリですねー、順調に大きくなってますねー、みたいなことを言われた。たしかにこれらを始めてから、それまで排卵日(とおぼしき日)が生理開始日から18日後ぐらいだったのが、12日とか13日になっていた。
4周期目、とうとう人工授精にステップアップすることになった。高い金をかけてまで子供が欲しくない私は、大体いくらぐらいかかるのかを聞いた。そのクリニックは2万円前後だという。たしかに高いが、自分の小遣いで出せない額ではない。とりあえず2, 3回試すことにした。
人工授精になると、タイミング法の時よりさらに通院回数が増える。排卵前に排卵日を予想した後、排卵日と思われる日に人工授精を行うためだ。私は小さなカップに入れられた夫の精子を持ち、朝イチでクリニックへ向かった。まずカップを受付で提出し、クリニックの人が精子をなんか選りすぐったりなんだりし、その間私は1時間ほど待つ。外出可能とのことなので、私は駅前のおしゃれなパン屋でパンを食べながら紅茶を飲み、スマホでネットや読書をしながら優雅に過ごした。
話は変わるが、私の通っていたクリニックはとあるおしゃれな駅にあり、近所にはおしゃれなパン屋があった。そのまた隣の駅にはおいしくて有名なベイクショップがあり、会社帰りにクリニックに行った日は、そこでクッキーだのパウンドケーキだのおやつを買って帰るのが定番となった。そのせいで私は不妊治療中少しずつ太っていった。
さて、ティーブレイクを終えて病院に戻ると、いよいよ人工授精を受ける。管のようなものを入れられて、終わり。少し痛いような気もするが、激痛というほどでもなかった。その後、さらに排卵を促すための注射を打たれ、ブセレキュアというこれまた排卵を促すための薬を鼻に噴射する。これはなかなか怖かったが、別にしみて痛いこともなく、気合を入れて「せーの、フン!」という感じでやれば良いのですぐに慣れた。
またこの周期から、漢方薬も処方された。これは別に人工授精とは関係ないと思う。私が処方されたのは温経湯というものだった。血のめぐりを良くし、冷え性を改善することで排卵しやすくする、とかそんな感じだったと思う。クリニックで処方箋を出され、薬局で処方してもらう。温経湯は私の大の苦手な粉薬だった。しかも一回に飲む量が多い。オブラートも一緒に買って帰ったが、量が多すぎて一枚のオブラートに入りきらない。味は苦い。2, 3日で諦めた。しかしこれさえ飲めば妊娠するかもしれない。私はネットで検索し、amazonで錠剤の温経湯を見つけ、早速買ってみた。飲みやすい。味もしない。これなら飲める。一回に4錠×一日3回というのがヘビーだが、粉薬に比べれば屁でもなかった。漢方を処方された次の診察時にスタッフの方に「薬どうでしたか?」と聞かれたので、「飲みづらいのでネットで錠剤のを買って飲んでます」と答えたら若干ザワついていた。「ちょっと先生に確認するので待っててください」と言われ、院長が出てきた。どうやら錠剤でも問題ないようだった。「錠剤のもあるんだねえ」と言っていた。