母娘問題

私は産前から産後1ヶ月ほど実家に滞在した、いわゆる里帰り出産だったのだが、いわゆる産後うつとおぼしき状態になったことが二度ほどある。どちらの時も涙が止まらず、もう死にたいと思った。いや正確には、どうしても子供の世話をする気になれず、死んでくれればいいのにと思ったが、殺して捕まるのは嫌なので、じゃあ自分が死にたいと思った。そしてその二度とも母が発端だった。

全ての母親がそうではないと思うが、私の母は自分の知らないことは間違っていると決めつける人間だった。とにかく私のやることなすことに口出しをし、文句をつけた。具体的にはおくるみによるおひな巻きやジーナ式に代表される赤ちゃんの生活スケジュール管理、背中をボスボスと叩くあやし方だ。そのどれもをかわいそうと言い、あまつさえ私を冷たいと罵った。前半2つは世界的に有名な助産師や小児科医が推奨する方法で、最後の1つは私が入院した産院の助産師に教えてもらった方法であり、信用して問題ないはずである。にも関わらず母は、たった2人しか子供を育てたことのない自分を根拠なく信用し、数え切れないほどの赤ちゃんの面倒を見た経験のある助産師を信用しないのだ。

また私(達)はなまじっか社会人経験があるため「〜〜をするためには〜〜の必要があるから〜〜しよう」ロジカルな思考パターンになりがちだが、母は「なんとなく」かわいそう、「なんとなく」〜〜した方が良い、と感覚で意見してくるため「なんでそう思うの?」と聞いても「なんとなく」という答えしか返ってこず、「これだから社会に出たことのない専業は!」と心の中で毒づいていた。

私は上記の方法を試してその都度母に咎められ、その何度目かに私は激怒して「そんなに自分の好きなようにやりたければこの子はくれてやる。私はもう1人作るから」と言い放ち、そこでようやく母は私のやり方に口出しをしないと約束した。「謝れ」「ごめんなさいと言え」と何の躊躇もなく口をついて出たのでよほど頭に来ていたのだろうと思う。

私の友達も母と育児方針で揉めたという人が多いのであるあるなのだと思うが、とかく母親と娘というのはぶつかるものであり、その関係性はおそらく父娘や父息子、母息子とは異なる種類のものだと思う。山岸凉子よしながふみの漫画で描かれていたと思うが、母親は娘を同性のライバルとして見ている節がある。自分は子育ての先輩であり、娘は常識のない初心者。娘をいつまでも半人前の子供と思い込み、娘のやることなすこと全てを信用しない。そりゃあ子育て歴1ヶ月の新人なので経験がないのは当然なのだが、私は既に30を超えたいい大人であり、ある程度の社会経験があり、やって良いことと悪いことの区別ぐらいついている。にも関わらず母親にはそれがわからないのだ。子供の頃のように、いつまでも非常識で無茶なことをすると思い込んでいるのだ。そんなことやるわけないだろう、というようなことをやると思い込んでいる。とにかく私個人を信用しないので、私の場合は、私が実践していた育児方法が書かれている本を読ませることでなんとか信用させるに至った。

いつか娘が里帰り出産する時は口出ししないようにしたい。